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Argus-eye  アーガス・アイ 8月号
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昭和残景
Seiene No.5
通天閣
大阪市浪速区恵比寿東1丁目











大阪で「昭和に連なる風景はどこ?」と何人かの方にお聞きしたら、迷わず「通天閣だっせ」。ほぼ即答です。浪花の理髪店の主人は、「通天閣に日立のネオンが灯ったとき、大阪が戦後から抜け出たと実感した」と感慨深げでした。昭和31年、地上100mの二代目通天閣が誕生し翌年7月に「通天閣ネオン」が灯ります。明治36年に開催された第5回国内勧業博覧会会場跡地に、パリのエッフェル塔と凱旋門を模して建設された300尺の初代通天閣のネオン広告は「ライオン歯磨」でしたが、二代目を飾るのは関東の総合電気企業「日立製作所」です。5階の展望台にはアメリカ生まれの神様「ビリケン」さんが安置され、今も幸せを願う観光客が足の裏を撫でています。大阪らしい‘昭和の名残’に触れに来る来場者は年間100万人以上といいます。
初代通天閣の電灯工事には、当時大阪電灯の社員だった17歳の松下幸之助さんが配線工として参加していたとか。浅草千束で育った僕にとって、松下幸之助さんは浅草寺前の更地に雷門を寄進してくださった‘ありがたい方’です。昭和35年、囲われていた塀が外され、雷門が出現した時は、観音さまにふさわしい玄関になったと嬉しい気持ちになったことを覚えています。通天閣と大阪が、なんだかぐーんと親しい感じになりました。
by enpitsu01 | 2008-10-07 16:23 | Argus-eye(アーガス・アイ)


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